吉沢亮
吉沢亮

 気づくのが遅い、今さら何を、と言われることを覚悟して書こう。「吉沢亮(26)がスゴイ」。

 5月29日の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で地上波初放送された映画『キングダム』(漫画版・集英社)。続編制作も発表され、ネットは追加キャストの予測で早くも大盛り上がりだ。

 私は『キングダム』は漫画も読んでおらず、映画化もピンと来ていなかった。5月29日もテレビ欄で見つけ「そういえば大ヒットしたんだっけこれ」と、なんとなくチャンネルを合わせた。もう始まって数十分経っていたが、吉沢亮がガッと映り、そのすさまじいオーラにゲッと度肝を抜かれた。

 その後は終わりまでグッと身を乗り出す勢いで見た。いや、目が離せなかった。大沢たかお(52)の怪演、長澤まさみ(33)の妖演に負けず劣らず、重い光を放っていた吉沢に「ああ、これが国宝級イケメンのエネルギーというものか」と思い知らされたのである。

 前髪センター分けがあそこまで超絶カッコよく見えること自体、奇跡。「最近の若い子は違いが分からない」とのたまう齢80の老母すら「この子の顔すごいわね!」と仰天したぐらいの奇跡! さらに漫画原作を見てみたら、生き写しの奇跡!

 そして声。こんなに声が良い人だったっけ? というのも驚きであった。特にえい政役のセリフの言いまわしと声のトーンはゾクゾクするほど美しかった。彼の存在感で、世界にどっしり歴史を感じる。顔の完成度と演技が揃い、そこに役がハマった役者って恐ろしいパワーが出るものだと息を飲んだ。

 過去、映画『オオカミ少女と黒王子』で共演した二階堂ふみ(25)は舞台あいさつで「平成のアラン・ドロンのような輝きがある」と吉沢を紹介したそうだが、そうそう、アラン・ドロンぽい! ただ、私は『オオカミ少女と黒王子』当時は、彼の輝きにまだ気づけなかった。『斉木楠雄のΨ難』の海藤瞬役は少し面白いと思ったけど……。やっぱり気がつくのが遅いのか。

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