阿部寛
阿部寛

 人気俳優・阿部寛(55)が、かつて田村正和(76)が主演を務めていた大人気刑事ドラマ『古畑任三郎』(フジテレビ系)の、「二代目」を襲名する可能性があると、6月10日の『東京スポーツ』が報じた。

「『東スポ』によると、フジ上層部は阿部寛を、現場はオダギリジョー(44)を推していて、2人のどちらかが古畑になる、とウワサされているそうです。どちらも演技力は申し分ないし甲乙つけがたいですが、阿部が選ばれる可能性が高い気がしますね。阿部が古畑に適任だという理由があるんですよ」(専門誌記者=以下同)

 まず、阿部がこれまで主演を務めていた作品が、ことごとくシリーズ化していることが大きいという。古畑の場合、94年のシーズン1から始まり、その後スペシャルや休止などもあったが、最終的に06年に全3話の『ファイナル』で完結。08年にはHey!Say!JUMP山田涼介(27)主演のスピンオフ作品『古畑中学生』が放送された。

「田村版の前例を考えると、『新・古畑』もシリーズ化を前提にしていると考えられますよね。阿部の場合、2021年に予定されている『ドラゴン桜2』もそうですが、00年~14年まで続いた『TRICK』シリーズや、08・09年と連続で映画化した『チーム・バチスタ』シリーズ、15年・18年に放送された『下町ロケット』(TBS系)など、続編が作られるパターンが非常に多い。特に阿部が三枚目役に吹っ切れるきっかけとなった『TRICK』シリーズは、14年にもわたった長寿コンテンツになりました」

■濃いキャラクター性は古畑にぴったり

 また、阿部の演技は、古畑に欠かすことのできない特徴を兼ね備えているという。

「『下町ロケット』で阿部が演じた芯の強い職人肌の主人公・佃航平のように、純粋にカッコイイ役もこなせる阿部ですが、彼が真価を発揮するのは変人を演じるとき。

 最近では19年に放送されて人気を博した『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)の主人公で独身貴族の“桑野信介”がまさに典型例ですね。ハンサムで高収入なので一見するとモテそうなんですが、とんでもない偏屈男のため“結婚できない男”というキャラです。理屈っぽい性格で、嫌味や皮肉を込めたセリフも多いんですが、この感じが古畑に近いものがあるんです。

 たとえば、第1話でカーナビの目的地を間違えた方向音痴のヒロイン(吉田羊)に対して“(行きたくなかったし)あなたのミスのおかげで言い訳できましたよヘッヘッヘ、どうもありがとう”“入力が正しくても、それ以前に目的地を勘違いしたら目も当てられないかンッフ”

 と、阿部特有のニヤッとした表情と、独特な笑い声交じりの息遣いで話していますね」

 確かに古畑といえば、田村によるひょうひょうとして読めない表情や、「ん~~違いますねぇ」「何故ぇ……〇〇なんでしょうね?」という、独特な間やイントネーションが、キャラクターの持ち味としてたびたび取り上げられている。

「田村の演技をコピーするのではなく、“田村を受け継ぎつつ、どこか違う古畑”をやるのであれば、阿部の独特な表情やセリフ回しは、うってつけだと思いますよ」

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