■二階堂ふみは窪田正孝を立てられるか?
二階堂ふみというと2018年の大河ドラマ『西郷どん』での、愛加那役の演技が思い出される。西郷吉之助(鈴木亮平/37)の第二の妻という役柄で、悲恋を全身で表現した二階堂の切なすぎる芝居が話題を呼んだ。そう、二階堂ふみは若くして、重厚な演技ができる女優なのだ。
しかし、これが朝のドラマとなると仇となることもあるようで、実際に「朝から二階堂ふみちょっと重いな」「朝からうるさいな二階堂ふみ」という、ネガティブなコメントがツイッターにあがっている。もちろん、明るくパワフルな音に対し「朝から元気がもらえる」というポジティブな意見もあるが、若干、過剰なのは確かだ。主人公の裕一が活躍を見せる後半、この二階堂の演技がうまくドラマ全体にハマるかどうかが、大きな鍵になるだろう。
『エール』は窪田正孝を主人公に指名し、ヒロインの音はオーディションだった。前半はその二階堂ふみが物語を牽引してきたのは明白だが、後半になって「やっぱり手堅い女優を指名すればよかった」なんてことにならないよう、頑張ってほしい。(北条雲助)