■“水が合う”場所

ゆま「ありがとうございます。私は神社じゃないけど、以前、京都の鞍馬寺に行ったとき、ものすごく不思議な感覚に陥ったんです。心がすごく浄化される感覚で……あれは初めてでした」

佐々木「それは簡単に言えば、麻美さんと“水が合う”場所だったんです。実際、僕も1万社以上の神社を巡っていますが、感覚的にすごく合う神社もあれば、鳥居をくぐるのも怖くて、どうしても入れない神社もあるんですよ」

ゆま「不思議……」

佐々木「ちなみに“水が合う”という言葉がありますが、これも神社と深く結びついています。昔から神社には蛇や竜の伝説があるんです。これはいわば“水脈”のことで、山の中なのに掘ったら湧き水が出てくると、それを神業として、神社が建てられるんです」

ゆま「なるほど~。そういえば人間の体って、69%か79%は水分と言いますよね」

佐々木「まさにその通りで、我々の体は無意識に“水”と深いつながりがあるんです。だから神社や寺に行ったとき、なぜか、ここは自分に合うと感じたら、そこの地下にある水脈を感じているんですね。麻美さんの場合、鞍馬寺の下を掘って出てきた水を飲んだら、この世で一番おいしいと感じるはずです(笑)」

ゆま「飲んでみたい! いやあ、佐々木さんのお話を聞いていると、今までとは違った神社の魅力が分かってきました」

佐々木「よかったです。僕もたくさんの神社を巡る中で、地元の方や神職の方しか知らない逸話を聞き、とても面白いと感じたんです。これを、もっと多くの人に知ってもらうのが、僕にできる社会貢献なのではないかと思ったんですね。世の中には神社巡りをしたくても、なかなかできない人もいます。そういう方のためにも、自分が得てきた情報や知識を伝えていければと考えています」

ゆま「なんだか、佐々木さんが神様に見えてきました。今日は、ありがとうございました!」

佐々木「こちらこそ、ありがとうございました」(おわり)

ささき・ゆうた 1984年7月7日生まれ、兵庫県出身。高校を卒業後、シンガーソングライターとしてメジャーデビューを目指し、上京。平成22年の9月に突如思い立ち、東京の自宅から伊勢神宮へバイクで向かう。その参拝をきっかけに、神社巡拝家を名乗り始める。現在ではシンガーソングライター、神社巡拝家の他、ラジオパーソナリティ、タレントなど幅広い活動を行う。

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