■フジ上層部が政権批判を問題視

 坂上から主権がはく奪されると言われているのは、パワハラが理由だけではないという。民放キー局ディレクターは話す。

「『バイキング』では、きわめて政権に批判的でした。これをフジテレビ上層部が問題視しているというんです。番組では安倍政権の政治手法を厳しく批判するコメンテーターが出ていますし、坂上さんもそれに乗って厳しい意見を発してきた。ただ、これは視聴者目線をベースにしていて、それほどおかしなものではなかったと思われますが……」

 フジサンケイグループはこれまで保守的で政権寄りのスタンスを取ってきた。これに加えて、同局の元代表取締役会長である日枝久氏は安倍晋三首相とは定期的に会食やゴルフを楽しむ仲。

「会長退任後も日枝氏の影響力は残っており、安倍政権批判を繰り返す『バイキング』に対しては、バランスの悪さを指摘したという話も聞こえてきます。日枝氏の意向をくみ取ったフジテレビ上層部は、坂上さんに好き勝手させないよう、大規模なリニューアルに踏み切ったということのようです。

 ただ、10月以降『バイキング』を制作する『グッディ』のスタッフにそのことが伝えられたのは、つい先日のこと。具体的にどんなコーナーを作っていくか、坂上さんに関する“注意事項”の引き継ぎなどすべてこれからで、大混乱しているといいます。

 そんな中、坂上さんと番組の“行きすぎ”を防止したいフジ上層部は、MCではありますが、坂上さんを司会進行というより、いちコメンテーターのようなポジションにしたいという意向があるという話ですね。また、現在、番組のバランスを取るために上層部から送り込まれたという、フジテレビ報道局解説委員室上席解説委員の平井文夫氏(60)のような人も、今後も引き続き出演するといいます。ですが、平井氏は別の意味でバランスがとれておらず、たびたび炎上していますので、継続して出演するかは微妙でしょうが……」(前出の民放キー局ディレクター)

 民放キー局ディレクターは続ける。

「ただ、こうなった今ささやかれるのが、フジ上層部が坂上さんのパワハラ疑惑を“利用”しようとしたのではということ。たしかに実際、坂上さんがCM中にスタジオのスタッフに怒号を浴びせたりすることはままあったといい、それに参っていたスタッフはいるといいますが、そうしたパワハラ疑惑騒動に乗じて、安倍政権批判が鋭い坂上さんの権限を弱めようという狙いがあったのでは、と言われていますね」

 パワハラ疑惑といえば、あの“西の女帝”についても大きなニュースが報じられた。

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