■厳しい指導に耐え抜いた「負けん気」

 小松さんの本格的な女優デビューは、2014年に公開された映画『渇き。』です。

 いきなり男女6人とのキスシーン、暴力的なシーンもふんだんに盛り込まれた過激な作品への出演。さらに、監督である中島哲也氏は、非常に厳しい演技指導をすることで知られ、罵声を浴びせられながらも、怒号飛び交う現場で主役を演じ切りました。

 それまではモデルとしての活動がメインで、華やかな世界に身を置いていただけに、凄まじい落差は細身のカラダに相当応えたはず。

 ただ、ここで発揮されたのが、彼女の「負けん気」でした。どこか気怠そうで、ヤル気のない表情とは裏腹の、非常に負けず嫌いな性格の持ち主なのです。

 以前、映画『恋は雨上がりのように』に出演した際、小松さんは真冬の撮影にもかかわらず待機中でも半袖姿で通し、弱音を一切吐かなかったのだと共演者が語っていました。その後、見事風邪を引いたものの撮影の影響ではないと否定するエピソードからも、負けん気の強さが窺えます。

 彼女の根底にこうした「根性」「ハングリー精神」といった泥臭いものが流れているからこそ、纏うオーラが強い輝きを放つのでしょう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3