怖いのはフライトキャンセルだが、カタール航空では払い戻しや2年間有効なバウチャーへの交換などの特別措置が用意されていた。カタール航空の運航履歴を調べてみると、ここ1週間はほぼ定時で飛んでいる。

 そこまで確認し終えてから、カタール航空の公式サイトで航空券を購入した。日本帰国後に課せられる2週間の自宅待機を8月末までに終わらせることができて、かつ料金が安い帰国日を選ぶと、旅行期間は23日間になった。

 そして帰国後に待っている空港検疫は、この時点では日本入国前にPCR検査が行われていた。結果が出るまでに2日間は空港近くのホテルに隔離されることになる。たとえ陰性でも、帰宅に公共交通機関が使えないという縛りがある。成田空港から都内までタクシーとなると値は張るが、レンタカーを使えばその半額程度で収まりそうだ。その後、2週間の自宅待機に入るというわけだ。

 

トルコでは国内線の飛行機に何度か乗ったが、いずれも搭乗率は高かった

 

コロナ対策アプリが必要に

 チケットは購入したが、トルコ国内の行き先は白紙の状態だった。トルコを旅行した方ならわかるかと思うが、この国はたとえ1か月あっても見どころには事欠かない。くまなく旅するなら3か月は必要だろう。トルコは8回目になるが、まだまだ未踏の地は残されている。

『地球の歩き方』を取り寄せて、ルートの検討に入る。今回はトルコ東南部と東部のクルド人エリアを旅することにした。イスタンブールからシャンルウルファに飛び、陸路でシリア、イラク、イランとの国境をなぞるようにバスで東進する。アルメニアとの国境上にあるアニ遺跡までいく行くことにして、残りの約1週間は予備日に充てた。

 イスタンブール~シャンルウルファの片道航空券はトルコ航空の公式サイトで購入した。ただし、新型コロナウイルスにともなう問題がひとつあった。航空券の予約を入れる際に「HESコード」なるものを求められたのだ。

 航空会社のサイトや在イスタンブール日本領事館のサイトで調べてみると、乗客の健康状態を追跡するコード番号で、搭乗するまでに取得することが必須とされていた。航空便だけでなく、バスや列車に乗るときも必要なのだ。

 トルコ当局の公式アプリ「Life Fits Into Home」やSMSで取得できると書いてはあったが、日本の携帯電話番号ではアプリの登録ができず、SMSを送っても返信が来なかった。ただ、航空券そのものの予約はHESコードを空欄にしても購入はできたので、現地でトルコのSIMカードを買ってから登録することにした。

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