実はぼくは、焼きそばは好むが、ソース味があまり得意ではない。自らチルド麺で作っても、醤油味やエスニック風にし、いつも附属の粉ソースを余らせてしまう。だから、あっさり目のソース焼きそばにトマトソースという、この組み合わせは革命的に旨いと感じた。そして、半端なスパゲティ類よりよほど上等だと思う。どちらのソースにもたっぷりコーンが入っていて、それが口の中でプチプチ弾け、甘みが溢れてくるのがたまらない。

 しかも、みかづきのベーシックなイタリアンで350円、カレーがけや問題のホワイトイタリアンでも、440円という破格の安さ。高校生が放課後に寄って、サクッと食べるのにちょうどよいボリュームと金額なのだ。

 それを証拠に、みかづきもフレンドも大体はイオンなどの商業施設内にあって、まさにフードコートという感じ。おまけに、みかづきではたこ焼きやから揚げ、フレンドでは餃子といったサイドメニューも楽しめ、これでビールさえ売っていてくれたら…。

 高卒後すでに30年を経過したおっさんが、女子校生に囲まれて浮き上がってしまっても、新潟に行ったら、必ず寄りたい店がみかづきとフレンドなのだ。

 彼女のインスタグラムを探していたら、やはり出てきた、本人自撮りのフライドポテトを添えたホワイトイタリアンの投稿(17年9月27日付)。そこにはたった一言、こう記されていた。
「しあわせ…」

 そして、#みかづきイタリアン #ホワイト #新潟 #本当に美味しい #大好き #大好物とハッシュタグが連打される。こんな雄弁な投稿があるだろうか? NGTでも最も可憐な努力家に、こうまで愛されるイタリアンに軽く嫉妬してしまった。

(取材・文=鈴木隆祐)

アイドル食堂

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