FES☆TIVEメンバー考案のコラボが味わえる秋葉原のラーメン屋の画像
※画像はFES☆TIVE『ハレとケ! あっぱれ! ジャパニーズ! (A)』より

アイドル食堂・第35回 百年本舗

■店まるごとFES☆TIVE推しのラーメン屋

 アイドルだってメシを食う。メシを求める野郎どもを迷宮に誘いもする。その晩のぼくがまさに、空腹のあまり「らせんの迷宮」にハマり込んでいた。

 気づけば秋葉原の外れだった。末広町駅から至近の3331 Arts Chiyodaという、小学校を改造したアートスペースに展示を観に行った帰り。日曜ということもあって、中央通りに出てもチェーン店しか開けておらず、それではつまらないと、蔵前橋通りを右に折れた。すると、妙にラーメン屋ばかり立ち並んでいる一画が出現。ガチャポン会館もほど近く、近隣はすでにアキバ的風情を醸していた。

 オタクはハマる対象がアニメだろうがアイドルだろうが、総じて大食漢である。いわば、アキバ=ガッツリ=ラーメンの等式の渦中に入ったのだ。しかし、五十路のおっさんも寄る年波。かなり受け付けなくなったのがラーメン、特にこってり系だ。

「すげえ腹減ってんだけど、ラーメン以外がいいな」とあたりを見回しても、営業中はほぼラーメン屋の類。次の予定の移動時間まで1時間はあるし、「ひとまずちょい呑みだね」と踵を返そうして、ふとさるラーメン屋店内に貼られたポスターが目に付いた。“飲み放題1時間600円”。

「コロナで腐心してるんだろう」と一気に同情してしまい、また折からの急な暑さで確実に3杯は飲むなと、すぐに計算も立ったので、ガラリとドアを開けていた。すると店内には、いや入口近辺にも、やたら幟やポスターに「FES☆TIVE」という文字が踊っていた。アイドルグループというのはおっさんにもすぐわかる。色紙も多く飾られていたが、大半はそのメンバーだった(後は仮面女子とか)。

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