そんな人気上昇中の彼女だが、密着するカメラに見せる姿は飾り気がない。話題となった『恋つづ』のセリフについても、「台本もらったとき、マジかーって思いました」と笑う。「これ私が言うのかと思って。ああいう感じで好きな人にそういうことを言ったこともないし。だから、そこに当てはまる自分の経験はないことが多いです」と冷静だ。

 番組は、周囲から愛されている彼女の姿にフォーカスを当てる。ミュージカル舞台の稽古の際、役の出番がないままこの日の練習が終わろうとすると、座長を務める堂本光一(KinKi Kids)らから合図が飛ぶ。上白石の出番が来るまで稽古を続けようという意味だ。彼女の出番を作ろうという配慮なのだろう。彼女が歌い始め、一度止まったピアノの演奏が再開された光景に、「なるほど、彼女は誰からも愛される存在なのだ」とナレーションが重なる。

 カメラは上白石の私生活にも迫る。決めきれない性格で買い物には時間がかかるという彼女は、2000~3000円の腕時計を買うのに1週間かかったという。大学在学中のため、仕事の合間に時間ができるとノートパソコンで課題レポートに取り組み始める。テーマはスペイン内戦について。子どものころにマンガを買ってもらったことがなく、今でも読むことはない。『鬼滅の刃』も『ONE PIECE』も読んでいない。が、『コボちゃん』だけは読んだことがある。

「小学生のときに『コボちゃん』に惚れたんです。コンビニで立ち読みしてずっと笑ってた」

 また、俳優や声優、歌手など幅広い活動を展開する上白石だが、彼女の今後の理想はナレーションの仕事を続けることだという。

「一個理想だなって思うのは、ずーっとナレーションはやりたいんですよ。子ども産んでも、ブースの外で赤ちゃん抱っこしといてもらって。すごいそれぐらい、すごい大事なんですよ、ナレーションの時間が」

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