西野七瀬が作り上げた「メンバーの個性を調和する」センター像【アイドルセンター論】の画像
※西野七瀬/画像は本サイトの記事(https://taishu.jp/articles/-/57853)より抜粋

なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
乃木坂46 西野七瀬(後編)

 アイドルグループにとって、センターとは組織の顔であり象徴でもある。センターに選ばれる人間が誰であるのかによって、グループの方向性が変わるものだ。本連載ではセンターポジションに立った経験のあるアイドルに焦点を当てて、それぞれの魅力に迫っていく。

 乃木坂46で最多となる7回のセンターを経験し、絶対的なエースとしてグループを牽引してきた西野。“神秘性”や“儚さ”といったイメージを乃木坂46に与えてきたという話を前回(/articles/-/82243)はしてきたが、今回は彼女がなぜセンターに選ばれたのかという本質に迫りたい。

 まずは、乃木坂46は個性の調和を本質としてきたグループであるということは先に触れておかなければならないだろう。ご存知の通り、乃木坂46には48グループを特徴づける要素である劇場公演や総選挙といったグループの拠り所があるわけでも、メンバー間の競争があるわけではない。

 だからこそ、それぞれのメンバーが持つ個性をいかに調和してグループとして一体感を作り上げるのかというところが求められてきた。それは、2018年4月にリリースされた乃木坂46の集大成とも言うべき20thシングル『シンクロニシティ』において改めて提示されている。

 西野はこの「シンクロニシティ」的な価値観を大切にしてきたメンバーだった。例えば、西野が初めてセンターに選ばれた際のコメントからもそこのことが伺える。8thシングルの選抜発表の場で西野が話したのは「周りの子たちのよさを出せるように、この機会で色々勉強したいと思います」とセンターとして周りのメンバーの引き立て役に回るということだった。

  1. 1
  2. 2