■乃木坂の“聖母”は、落ち着いた大人の女優に転身

 2012年11月に岩瀬が卒業すると最年長メンバーになった深川は、「聖母」とも呼ばれた。なかなかフロントに立つことはなかったが、徐々に「AKB48の関連グループのひとつ」というイメージから脱却していった乃木坂に欠かせないメンバーとなっていった。

 だが、現役乃木坂メンバーとして初めて25歳を迎える彼女は、やはり卒業後の芸能活動のことを考えていた。卒業を自ら決断し、2016年3月23日にリリースされた乃木坂46の14thシングル『ハルジオンが咲く頃』で初のセンター経験すると、同年6月、地元静岡県のエコパアリーナで開催されたコンサートを最後にグループを去ったのだった。

 女優活動を本格化させた卒業後の深川は今のところ好調だ。2018年に初出演にして初主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』では、ベーカリーで働く女性の役を演じた。その後も、NHK連続テレビ小説『まんぷく』、『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)など話題作に出演。いつまで経っても学生役……というアイドル出身者にありがちな展開はなく、いずれも年齢相応の役を割り当てられている。これは、もともとの落ち着いた雰囲気と、乃木坂時代のお姉さんイメージがプラスに働いているのではないだろうか?

(文/ミゾロギ・ダイスケ)

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