■今もハロプロを見守る“終身名誉リーダー”

 1999年の『LOVEマシーン』のメガヒットをきっかけにモーニング娘。が国民的アイドルの座に上り詰めた時期に、中澤はリーダーとしてグループを支えた。2001年4月にモーニング娘。卒業後も、ハロー!プロジェクトのリーダーとして君臨。「中澤姐さん」と呼ばれ、多人数のアイドル集団を締める需要な役割を果たした。

 また、ハロプロの冠番組『ハロー!モーニング』(テレビ東京系)では、モーニング娘。4期メンバーの辻希美加護亜依に「おばちゃん」「三十路ババア」とからかわれ、激怒した彼女が関西なまりで怒鳴りつけるという、アイドルグループとして他に類を見ないやりとりが名物となった。中澤の存在はすべてが異例だったが、だからこそ価値があった。

 ハロプロに限らず、その後の他のアイドルグループにも、彼女のようなメンバーはいない。2009年3月31日にハロプロを卒業した時点で35歳。それまで、ずっとアイドル的な世界に身をおいていたのも特筆に値する。さらに2011年にはOGユニット「ドリームモーニング娘。」に参加し、翌年3月に日本武道館を満員にした。

 2012年に結婚した中澤は現在、福岡を拠点にタレント活動中。ただし、近年も、ハロプロの重要な現場に駆けつけるなど、“終身名誉リーダー”的な存在であり続けている。


(文/ミゾロギ・ダイスケ)

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