■卒コンも解散ライブもナシにグループは自然消滅

 父親がアメリカ人で母親が日本人。アメリカ、沖縄、横須賀で暮らし、アメリカンスクールで学び、英語が話せる。メンバーの多様性が重視される多人数アイドルグループに是非とも欲しい経歴といえる。

 一期生だった安良城は、グループ結成の翌年、2004年6月9日にエイベックスから『Harmony』というマキシシングルで華々しくデビュー。その後も、コンスタントにシングルをリリースし、それぞれにタイアップが付くという恵まれた環境だった。

 だが、残念ながら彼女には美少女クラブ31のトップランナーとして、卒業コンサートを経てグループを羽ばたく……という展開がなかった。

 なぜなら、美少女クラブ31は2004年11月10日に、安良城を含む選抜メンバーによるセカンドシングル『東京Gourmet Tour』をリリースして以降、アルバムも出さず、コンサートも行わずに、実質、グループの音楽活動を休止してしまったからである。結成当初からのレギュラー番組『GIRLS A GOGO!』(テレビ朝日系)はその後も続いたが、メンバー全員の出演はなくなり、安良城も姿を消した。

 そして、同番組が終了した2006年のFCイベント以降は、公式なリリースもなく、事実上の自然消滅をしてしまったのである。

 ただし、ソロシンガーとして実績を重ねていた安良城自身に、グループの低迷はあまり影響がなかったのもまた事実なのだが……。

 美少女クラブ31消滅後の彼女は、2008年にオスカープロモーションを離れ、レコード会社も移籍。「BENI」名義で長く歌手活動を続けた。そして、34歳になった2020年の9月に結婚と妊娠を発表。あわせて今後は、「Beni Daniels」というアメリカ名で国際的に展開していくことも明らかになった。その本領発揮はこれからなのかもしれない。

(文/ミゾロギ・ダイスケ)

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