生駒里奈卒業時のシングル『シンクロニシティ』でセンターを務めた白石麻衣の「必然性」【アイドルセンター論】の画像
白石麻衣

なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
乃木坂46 白石麻衣(後編)

 6thシングル『ガールズルール』での白石のセンター抜擢――。乃木坂46は言うまでもなく生駒里奈がデビューシングル『ぐるぐるカーテン』から5thシングル『君の名は希望』までのセンターに選ばれていた。

『制服のマネキン』でフレンチ・ポップスを主体とした楽曲からの大きな転換を図ると、『君の名は希望』でグループの方向性が示されたように、生駒を中心に築き上げてきた乃木坂46には初期アイデンティティが形成されつつあった。この状況下で行われた生駒から白石へのセンター交代は「乃木坂46をメジャーシーンへ」という意図が含まれていたのではないだろうか。

『ガールズルール』がリリースされた2013年時点で、すでにモデルやバラエティでも活躍を見せていた白石はアイドルの主なファン層である男性のみならず、女性ファンを多く抱えていた。つまり、白石がセンターに立つことは乃木坂46が新たなファン層を獲得することを意味していたといえるだろう。

 実際に、このシングルは初週売上約33万と前作を大きく上回り自己最高(当時)を記録。これはセンター交代という話題性と白石の影響力が大きく寄与したことは間違いない。

 加えて、これまでの乃木坂46の方向性とは違う普遍的なポップソングが提示されたことも大きい。『ガールズルール』は過去の世界観を打ち破った、万人に支持される爽やかなポップソングの趣があり、ライブでもテンションを盛り上げてくれる楽曲だ。

  1. 1
  2. 2