山下と齋藤に関してはこんなエピソードもある。それは今から約2年前の2018年8月に発売された『BRODY』(白夜書房)10月号で山下の特集が組まれたときのこと。その特集には「山下美月を批評する」という、他のメンバーが山下について一言ずつコメントするコーナーがあったのだが、そのなかで齋藤は「我々を転がしてくれるんだなって気配がある。人生の勝者になりそう」という、まるで将来山下がセンターになることや、“自分が先輩イジリをされること”を予言していたかのようなコメントを残していたのである。
そんな齋藤の期待を背負い名実ともに乃木坂46のエースになった山下は、これからグループや世間をどのように転がして(動かして)くれるのだろうか。10年目の乃木坂46は山下個人はもちろんのこと、ふたりのさらなる関係性の変化にも注目しながら追いかけていくと、より楽しめることだろう。
(文・鎌形剛)