■King Gnuの主題歌も怖い
繰り返しになるが、ほかの登場人物は全員怖い。父親役の田中哲司(54)は優しいけれど自分の首を絞める行動しかしないし、富田靖子(51)はそもそも存在が怖い。息子役の竜星涼(27)は引きこもりっぷりがうますぎて、『同期のサクラ』(日本テレビ系)の菊ちゃんとのギャップがすごくて怖い。
登場人物以上に怖いのは、主題歌である。毎回ラストに柴咲コウのアップと「35歳の少女」というタイトルが重なり、「この世界の誰もが~♪」と、あまりにも繊細で悲しくて美しいKing Gnu・井口理のハイトーンボイスが流れる。この曲と白黒の予告映像によって、時間が逆行していく感覚と、アンハッピーエンドの予感ばかりが膨らんでいくのである。
望美はもう一度眠りについてしまうのではないだろうか。怖い。予想が外れますように。(田中稲)