■「いろんなものを持たされている」

 一方で、広告会社関係者によれば、この2年間で彼女を取り巻く環境が大きく変化しているとも。

「たしかに七菜ちゃんは、ある意味で“いろんなものを持たされている”とも言えます。所属事務所の『アーブル』さんは、もとは2.5次元舞台の制作・プロデュースや音楽事業などを展開していた『アルテメイト』のマネジメント事業として立ち上げられました。

 社長を務めていた映像プロデューサーのKさんは、他にも広告やイベント、映像関連のキャスティング事業を主とした『ギャンビット』を経営していました。彼女の初写真集を出版したのも、このギャンビットです。

 そしてギャンビットと、音楽エンタテイメント事業を展開する『スペースシャワーネットワーク』、映画やドラマの企画制作を手がける『ダブル・フィールド』、そして大手アニメーション総合プロデュース会社である『トムス・エンタテイメント』が中心になって2013年に共同設立したのがアルテメイトだったのです」

 つまりアーブルは、アニメ、広告、音楽、映像の各プロフェッショナル企業による一大プロジェクト。その中心となってプロデュース業を手掛けていたのがKさんだったようだ。

「七菜ちゃんは映画『地獄少女』(2019年11月公開)に出演しているのですが、同作の制作総指揮を務めたのもKさん。“ちょいワル”でいかにもな業界人風でしたが、そうした豪快な性格の一方で、困った人があれば黙って助けるような人情があり、人望の厚い人でした。

 ですが、Kさんは昨年1月に病気で亡くなり、アーブルは独立する形で同年7月に改めて新会社として立ち上げられ、アルテメイトは2020年3月をもって解散しました。七菜ちゃんはいわば、Kさんが見出した最後のプロデュースタレント。彼にお世話になった業界人は多いと聞きますから、もしかしたら彼の“慧(けい)眼”を信じての起用、ということもあるのかもしれませんね」(前出・広告会社関係者)

 新海監督や恩師に見出された才能は、大きく花開くことになるのだろうか。

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