■しかめっ面トレーニング法とは

 さて、奥山氏は、もう一つ、「しかめっ面トレーニング法」を紹介してくれた。目に力を入れ、顔の中央に寄せる感じでギュッと閉じる運動。2秒間閉じたら、今度は逆に思いっきり目を見開き、また、その状態を2秒間キープ。これを一日3回やるだけ。眼球ぐるぐるトレーニングと同様の効果に加え、涙腺を刺激するので、ドライアイ改善にもいいという。

 それだけではない。これらの老眼対策のトレーニングは、白内障、緑内障などの、失明のリスクさえ伴う目の重大な病気予防にもなりうるというのだ。そのメカニズムを、前出の福与氏が解説する。

「白内障は水晶体が濁った状態、緑内障は視神経が萎縮して起こります。そして水晶体が濁るのは、房水という水晶体に栄養を運ぶ血液のような働きをしている水の流れが悪くなるのも原因の一つです。その房水が作られているのが、毛様体なんです。また、視神経萎縮の原因とされる高い眼圧、血流低下にも、この毛様体が関係していると考えられます。要するに、これらの重大病は、“老眼の完成”後に起きてくるんです」

 ちなみに緑内障は40歳以上、白内障は50歳以上になると発症の可能性が高まる。しかし、今回紹介した老眼防止、視力回復のトレーニングは、これらの疾病に加えて、「黄班変性症」と呼ばれる網膜の中心部に老廃物が溜まり、見えにくくなる病気の予防にもつながり、まさに一石二鳥、いや三鳥というわけだ。

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