■聞き入るばかりの菅田将暉

 すると、甲本は「作った本人は“(音楽は)絶対にこう!”って思ってないから。本人はなんとなく“バーン”って出してる。僕らは投げる、受け取る側がパシッと捕る。キャッチャーミットの中で見るものはみんな違うんです。そこで完成されてるから、(音楽は)みんなのものなんですよ」と、音楽観を語った。

 そして、若いバンドに感じることを問われると、甲本は「僕は若い人はみんないいと思う。音楽って何が良いか、形とかないんですよ。結局、“やったるで”という気合いとか、それが一番大事だと思う。そういう意味では若い人はスゴいですから」と称賛した。

 続けて、「(自分たち)アナログ世代と(若い)デジタル世代の違いを一箇所感じるのが、若い人は歌詞を聞きすぎ」だと指摘すると、「アナログのころって、僕ら音で全部聞いてた。だから、洋楽だろうがなんだろうが、全部かっこよかった。意味はどうでもよかった」と回顧。

 さらに、甲本はロックンロールが自分を元気にしてくれたが、元気づけるような歌詞はひとつもないとし、セックス・ピストルズは『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』で「おまえに未来はない」と歌っていたが、それを聞いて「よし!今日も学校行こう」と思っていたと明かし、デジタル世代は歌詞を文字情報として追いすぎている気がすると語った。

 すると、菅田は「どういう意味なんだろうって、すぐ調べちゃいますもんね。それはあるかもしれないですね。携帯で音楽を聴いていても、すぐに歌詞を出せるので。いきなり歌詞と同時に見ながら(音楽を)聞くのが増えましたね」と同意。甲本は「もっとぼんやりしていていい」と、音楽に正解を求めすぎなくていいと持論を披露した。

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