■中村倫也と森七菜の恋を望まない声も

 そして、コンビニカーの営業がひと段落ついたあと、樹木は「捨てるのは無理、でも、持っとくのも無理。失礼なことは分かっています」と、浅羽にもらったお土産のスノードームを返す。浅羽は眉間にシワを寄せ、樹木の言動が理解できないという表情で見つめるだけ。

 そのあと、樹木は新谷のもとへ。「私が悔しがっているとき、落ち込んでいるとき、うれしかったとき、いつもまこっちゃんそばにいてくれた。まこっちゃん隣にいるとね、ホッとするの。まこっちゃんがいると、私も楽しい。めちゃくちゃ楽しい。よろしくお願いします」と、自分から交際を申し込んだのだ。

 樹木が手を差し出すと、よろこんだ新谷は手を握るどころか、樹木をギュッと抱きしめて、「すっげ~うれしい。人生で一番うれしい!」と歓喜。「絶対、樹木ちゃんの特別になるから」と誓うと、樹木を抱き上げて喜んだ。

 新谷の恋心の成就に、視聴者はツイッター上で「もうまこっちゃんとくっついたまま最終回を迎えてほしい。たまにはそんなドラマあってもよくないか?」「王道の当て馬街道を突っ走っている新谷誠が最終回で樹木ちゃんと結ばれる話になってもこっちは全然、かまわないんだけど」などと盛り上がっていた。

 しかし、終盤の中村の演技で、視聴者はこのドラマの本来の設定に引き戻される。新谷に樹木とつきあうことになったと打ち明けられ、無表情の浅羽は数秒間の沈黙のあと、住民たちと楽しそうに会話している樹木に目をやり、あきらめたような笑顔を見せると、自分の車で樹木を送るよう新谷に鍵を渡す。

 そして、北川と一緒に2人を見送るのだが、浅羽は落ち込んだように伏し目がちで、樹木の「バイバイ」という声に手をあげて返すだけ。隣に恋人の北川がいるというのに、走り去る車を見つめ続け、瞳には喪失感が浮かんできて……。

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