気温も下がり、寒さが身に染みる今日この頃。こんな季節は、熱々のステーキでも食べて英気を養いたいものだ。
「私は独身ですけど、コロナで自炊が増えました。ただ、会社の先行きも不透明ですし、あんまりぜいたくはできませんね。牛肉を買うとしても、アメリカ産とかの安いヤツですよ」(不動産会社営業マン・50代)
今年1月より、アメリカ産牛肉の関税が10%以上下がり、スーパーなどには100グラム200円以下の安い牛肉が並ぶようになった。だが、「外国産の肉は硬い」と敬遠しているご仁も多いのではないだろうか。
「安心してください。安い輸入肉も、ほんのひと手間かけるだけで、グンとおいしくなるんですよ」
こう語るのは『スーパーで買える「肉」を最高においしく食べる100の方法』(ダイヤモンド社)の著者でもある、料理研究家の長田絢氏だ。輸入肉などを高級国産牛並みに変身させる裏ワザを長田氏に伝授してもらった。まず、安い肉をおいしくするには、焼く前の準備が最も重要になるという。
「冷蔵庫から出したら、肉をしばらく置いて常温にしましょう。そうすると、焼く際に、中が生焼けで外が固くなるといったことが防げます」(以下、コメントは長田氏)
安いステーキ肉は確かに硬く、食感が良くない。これは肉の中に筋が多いため。
「それならば、焼く前にフォークで肉を全体的に刺しましょう。筋が切れて口当たりが良くなります」
筋を取る以外にも、オススメしたい裏ワザがある。
「すり下ろしたキウイや梨に肉を漬けておくと、果物に含まれる酵素の働きで、肉が柔らかくなります」
準備の仕上げに用意してほしいのが、片栗粉だ。
「片栗粉を茶こしで振りかけるといいんですね。片栗粉で肉がコーティングされ、焼いているときに肉のうま味や水分が漏れるのを防いでくれる。ジューシーな肉になります」