■聖なる感じがする声の持ち主
森の選抜理由について、新海監督は製作発表会見で「天気のような子。予想ができなくて、聖なる感じがした」としている。実際に『天気の子』を鑑賞した人なら、特に「聖なる感じ」が陽菜を演じるにあたって必要不可欠な要素であることが分かるだろう。同作での声優としての演技は高く評価されて、第14回声優アワード 新人女優賞を受賞した。
「19年7月の『シネマトゥデイ』インタビューでは、新海監督は森の演技を“陽菜というのはこういう子なんだなと教えてくれるような説得力がありました”と評していました。また、『エルマガジェイピー』のインタビューでは、もう一人の主人公・醍醐虎汰朗(20)と合わせて、“この2人でなければ、今のクオリティにはならなかった”としています」(前出の映画ライター)
森は『天気の子』の前から、デビューして半年で次々とオーディションを勝ち抜く姿から「オーディションにめっぽう強い15歳」と紹介されたこともあったが、『天気の子』でも、
「オーディションのときは、“(相手には)もう二度と会わないんだから”というつもりで立ちます。ぐちゃぐちゃな変な顔を見せたって、それで嫌われたっていい。恥ずかしいから繕ってといったことは絶対にしません」
という気持ちで臨んだと、19年7月の『クランクイン!』で答えている。