■和輝のナレーションが優しく包む世界に感動

 姉ちゃん・桃子(有村架純/27)と恋人の吉岡(林遣都/29)が仲良く歩く先に、足を伸ばして座っていた男がいて気付かず足を踏んでしまう桃子。桃子も吉岡も必死に謝ったが、相手の怒りは収まらない。周囲の目がない橋の下で殴る蹴るの暴行シーンは、吉岡が服役していた過去を思い出させて心が痛んだ。吉岡が桃子を守り切った後、クリスマスパーティーである自宅に向かう途中にで、吉岡がよろけて座り込んでしまう。弟たちやみゆきに心配を掛けないよう傷をファンデーションで隠してあげる桃子に、化粧しているように見えないかを気にする吉岡が可愛らしく思えたのは、和輝のナレーションがあったからだ。

「僕らは、どんな嫌なことだって、楽しいことに変えてしまえる力を持ってんだ。それを『強い』っていうんだ、そうだよね、姉ちゃん」

 理不尽な暴行を受けたことも体の痛みも笑いに変えて一緒に歩けるし、守るべき人を守り切った吉岡と全力で守られた桃子は、またひとつ大きな壁を乗り越えて強くなった。和輝のナレーションは、脚本・岡田惠和氏のメッセージだ。ドラマの核となり伝えたい思いを、優しい語り口で話す和輝の声がとても心地いい。髙橋が持つやわらかくてあたたかい声が胸に染み入ってくるのだ。

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