■ドラマ3作目の手応えと成長

 髙橋の連続ドラマデビューは、2018年『部活、好きじゃなきゃダメですか?』(日本テレビ系列)で、所属しているサッカー部の部活をサボることばかり考えている、器用でずる賢い西野を演じた。2作目は2019年『ブラック校則』(日本テレビ系)で、無意味な校則を変えたい主人公の親友として助言をしたり、大胆な行動で周囲を驚かせる月岡中弥を演じた。こちらはオリジナルストーリーの配信と映画化がされており、月岡中弥の内面に迫る繊細な表現をするなど、多角的に演じていた。

 3作目となる『姉ちゃんの恋人』では、姉を想う弟・年上の女性に恋をする大学生・ナレーターと3つの役割を担った。そもそも、髙橋自身は、『ブラック校則』の撮影エピソードとして、監督から「月岡中弥のショーが始まるくらいのテンションで」と要求された際に「基本的にアッパーな人間じゃないから……」と躊躇いを見せていたくらいにハイテンションなキャラクターではない。それでも、共演者の映画『コーヒーが冷めないうちに』を鑑賞したり、林遣都に芝居の話を聞いたりと努力をし続けている。ベテラン俳優との共演や、岡田惠和氏の脚本は6作目という有村架純との共演から多くのことを学んでいるだろう。

 そして、その岡田惠和氏は自身のラジオ番組『今宵、ロックバーで』(NHKラジオ)にて、2019年ドラマのベストに『ブラック校則』を挙げており、本作のプロデューサーだった河野英裕氏とは「髙橋主演でいつか連ドラとか映画をやるのが夢」と語っているという。またいつか一緒に仕事がしたいと思ってもらえるなんて最高の褒め言葉ではないか。大きな期待に応えたことを誇りに、俳優としてはもちろん、アイドルや少女漫画家としての経験や実績を重ねていくだろう今後の活躍に期待したい。

(文・青石 爽)

『姉ちゃんの恋人』は、2019年に紫綬褒章を受章した岡田惠和氏によるオリジナル脚本。安達桃子(有村架純)は年の離れた3人の弟たちを立派に育てるため、一生懸命に日々を過ごしている一家の大黒柱。長男・和輝(髙橋海人)は農学部に通う大学生、次男は高校生、三男は中学生、全員明るくて仲の良い家族だ。そんな桃子が職場で出会った吉岡真人(林遣都)に恋をすることで、身近にある幸せを感じたり、家族や人とのつながりの大切さを感じる、ラブ&ホームコメディードラマである。

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