■記憶に残る敗北

 敗れた一戦でも、記憶に残る大一番がある。レスリングでは、16年開催のリオデジャネイロ五輪での吉田沙保里の敗北が印象に残る。当時、吉田はオリンピック3連覇中。伊調馨とともに、女子個人競技では初となるオリンピックV4を目指してのリオ入りだった。現地で取材した前出の布施氏は、こう語る。

「吉田はブラジルでも特別な存在でした。姿を現しただけでも、その場の空気が変わりました」

 トーナメントの枠順にも恵まれ、順調に勝ち進んだ吉田。最後の相手はヘレン・マルーリス(アメリカ)だった。過去の戦績は吉田が2戦全勝と分が良かっただけに、V4は目前と思われたが、マルーリスは吉田の動きを研究していた。

「吉田が首投げを狙うとスカしてバックを奪い、スタンドレスリングでサイドを取ると、そのまま場外に押し出して点数を重ねた。吉田の良いところが封じ込められました。試合後、現地まで応援に駆けつけた母、幸代さんに“(亡くなった)お父さんに怒られる”と呟いたそうです」

 この一戦を最後に、吉田はマットに別れを告げた。

 記憶に残る名勝負。2021年、さらなる「世紀の一戦」の誕生を期待したい。

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