バラエティ番組に積極的に出演していた理由について、彼女はこう語る。

「私をきっかけにひとりでも多くの人が劇場に足を運んでくれるんだったら。その可能性を広げたいなと思って。自分が有名になりたいとか、自分のポジションを確立させたいとかではなくて。劇場にただ足を運んでいただきたいっていう気持ちだけでしたね」(『ミュージック・ポートレイト』NHK Eテレ、2016年6月2日)

 同業者の評価も高い。真木よう子は「ときどき、怖い目するんです」「イッちゃってるっていうのがわかります。圧倒されますね、やってても」と共演時を振り返る(『第38回日本アカデミー賞授賞式』日本テレビ系、2015年2月27日)。

竹中直人も同様に語る。「若いのに怖いんですよ。人を見透かすような目しやがって。ふざけんじゃねぇつんだよ。どんな芝居もスイスイこなしやがって。冗談じゃないですよ」(『SWITCHインタビュー 達人達』NHK Eテレ、2015年8月22日)

 さまざまな側面を見せた今回の『紅白』での司会ぶり。あれもまた、彼女の演技力の賜物だったのかもしれない。少なくとも彼女の高い演技力は、共演者が少ないぶんさまざまな役回りを同時に担わなければならなかった今回の『紅白』司会にとって、欠かせない要素だったはずだ。

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