アイドルとしては秋元康からひとりだけ茶髪を許可されるなど、他のメンバーとは一線を画するアイドル像を作り上げ、女性からの支持も高いお洒落な存在となった板野。その背景にはモデルとしての活動を抜きには語れないだろう。

 板野は2008年9月にギャル系のファッション誌『Cawaii!』(主婦の友社)の専属モデルに抜擢されモデルデビュー。翌年4月にはソロ写真集『T.O.M.O.rrow』(主婦の友社)を発売するなど、同じく専属モデルとして活躍していた篠田麻里子らと共にグループのファッションリーダー的立ち位置を獲得していく。

 当時の若い女性にとってのファッションアイコンの中心に彼女がいた、といっても決して大げさではないだろう。すでに世代を超えて愛されつつあったAKB48の女性ファンの担い手はまさに彼女だった。

 そして彼女が残してきた功績の中でも特筆すべきは、AKB48で初めて本格的にソロデビューを果たしたことだろう。アイドルになってからもなおアーティストとしての夢を持っていた板野だったが、2011年1月26日にリリースされた1stソロシングル『Dear J』でその夢が叶うことになる。

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