■人並みって何だろう……、責任の取り方を考えさせられた

 奈未の上司であり潤之介の姉・麗子(菜々緒・32)が、仕事に不満を持つ奈未に無理難題を与え冷たく言い放っているようで、実は大切なことを言っている。2話では、

「あなたは人並みでいいとか言って、努力することから逃げているだけ。人並み人並みって言うなら、まず人並みの責任を取ったら?」

 これは奈未に刺さる言葉だった。そもそも『人並み』とは、それぞれの価値観によるもので、それこそ、潤之介の生活環境や麗子の美貌に段違いのレベルを感じることがあっても、仕事となれば別だ。それぞれの立場に見合った仕事に、責任が伴う。例え失敗しても、どう受け止めて次に生かすかで成長していけるし、どう取り組んだかは周りの人間が見ている。奈未が未熟なのは明らかだが、真摯に受け止めて努力をし、最終的な目的だった『表4広告とタイアップ2ページ』を取り付けたきっかけになったのはお見事だった。出来ないなりに出来ることをする、その上で『人並み』を語ることが許される。奈未が考える『人並み』がどうなっていくのか、麗子がどう導いていくのか、潤之介も変化していくのか注目していきたい。

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