■お菓子と脳梗塞

 お菓子の食べ過ぎに、どれほどの危険性があるのか。日本生活習慣病予防協会の理事長で、総合健診推進センターの所長なども務める宮崎滋医師に話を聞いた。

「(田中が診断された)クモ膜下出血は、通常は脳の動脈瘤から起こることが多いんです。動脈瘤というのは、血管の一部分がコブのように膨らんだもので、血圧の高い方はこれが破れてしまう。あくまで推測ですが、今回の田中さんの場合も報道を見る限り、こういった話だったのではないかと思います。

 そうなると、元々の血管の弱さと血圧が影響してきます。お菓子を食べて血圧が上がるということはあまり考えられない。私から見てですが、クモ膜下出血については、お菓子の食べ過ぎとの直接的な因果関係はないかと思います。

 もうひとつの脳梗塞のほうですが、実際のところは田中さんの病態を見ないとわかりませんが、脳梗塞は、糖尿病、脂質異常症、高血圧など、いわゆる生活習慣病で動脈硬化が起きてくると、そこで血管が詰まって起きてしまうものです。

 脳梗塞とお菓子の関連で1つ考えられるとすれば、お菓子を食べ過ぎて、血糖が上がって、糖尿病になってしまう。動脈硬化が進んで脳梗塞につながることは考えられます。

 お菓子には、砂糖がたくさん入っていますよね。お菓子の食べ過ぎで、血糖やコレステロール、中性脂肪が上がりやすくなって、間接的に脳梗塞が起きやすい状態を引き起こしているとは言えるでしょう。ただ、お菓子を食べ過ぎたからといって、急に脳梗塞になることは普通はないです」(宮崎氏=以下同)

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