ももいろクローバーZが東京ドーム開催「10周年ライブ」に込めた思いとは!?【周年ライブの魅力再確認】の画像
百田夏菜子

 アイドルグループにおいて結成日やデビュー日は大切なもの。定期的に周年ライブを開催するグループ、開催しないグループがあるが、今回はあえてその両者に触れていきながら、それぞれの周年ライブのよさを再確認したいと思う。

 ももクロが結成されたのは2008年5月17日。この日付は、ファンの間でもかなり浸透しているのだが、実は「〇周年ライブ」というものはほとんど行なわれていない。

 というのも、例年4月に『ももクロ春の一大事』、そして8月第1週に『ももクロ夏のバカ騒ぎ』という大型ライブが開催されるから。この合間に挟まってしまう5月17日に記念ライブを行なうのは、さすがに現実的ではない(特に『春の一大事』が4月下旬に開催された年は、準備期間が2週間程度しかとれない)。

 その代わりに2013年からは5月17日に『24時間Ustream生配信』企画がスタート。いまではアイドル界隈でも珍しくはない企画であるが、当時は画期的だった。エンディングはライブで締めるのだが、その会場は配信内で発表されるゲリラライブ状態ながら、2014年は幕張メッセイベントホールに7000人もの大観衆が集まった。

 7周年を迎える2015年は主演の舞台公演中ということで、なんとスタッフがリレー形式で東京・日本橋から伊勢神宮まで踏破するという『東海道中桃栗げ』を敢行。その行程はネットで生中継され、メンバー不在の中、妙な盛り上がりを見せたことも。このようにファンにとっても、ももクロには『〇周年ライブ』は開催されないのが当たり前になっていた。

 だが、さすがに10周年という節目の年には何もしないわけにはいかない。

 会場は東京ドーム。プロ野球開催中ということもあり、5月17日は押さえられなかったが、なんとか結成日から1週間以内の日程での開催が実現した。

 既に2016年に全国縦断のドームツアーを開催しているももクロだったが、なぜか千秋楽の東京公演だけが東京ドームではなく西武ドーム。過去に旧・国立競技場や日産スタジアムなど、ドーム以上の大箱でのコンサートを成功させてきたももクロだったが、意外にも東京ドームだけは経験しないでいた。10周年というメモリアルにふさわしい「初進出」の場所が偶然にも残っていたのだ。

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