■町田啓太の土方歳三にも期待!
そしてその期待通り、いや、それ以上だった第一回。徳川慶喜との初対面のシーン。草なぎの第一声である「言いたいことはそれだけか」に「うわ別人みたい、草なぎ剛、すごい!」と仰天し、そこに吉沢の張りのある「いやまだまだございます!」という声が響き「最高」と悶えた。そして慶喜を見上げる目の美しさに「吉沢亮、希望しかない」と感動した。
子ども時代のシーンでは、慶喜(幼名・七郎麻呂)に父親・徳川斉昭(竹中直人/64)が、毎日黒豆100粒だの果物は控えろだの常にカラカラでおれだの、やたら細かく健康術を伝授するのが気になった。あれが実は重要な伏線で、後々、回収があるのだろうか。そしてドラマ後半、突如、登場した泥だらけの玉木宏(41)! ボロボロなのが逆に、素の美しさを際立たせるという奇跡。
さらに今後、猛烈に楽しみなのが新選組副長・土方歳三役の町田啓太(30)。まちがいなく2021年の大ブレイク枠。鬱々とした自粛期間、amazonプライムビデオで見た『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日系)のワセダ役に、どれだけ心を救われたことか。ああ、登場が待ちどおしい。
キャスティングの素晴らしさも見事だが、タイトル通りに広がる青空、柔らかな自然の風景にも癒された『青天を衝け』。ただ、たったひとつ物申したいのが、お蚕様ダンス。小さなものがたくさん集まる図が苦手なので、あのシーンだけは別の意味で鳥肌が立った。もうありませんように……。(田中稲)