■溝端淳平と柄本佑の癒やし
そんな難しいストーリーの中で、ほのぼのと癒されるのが八巻（溝端淳平／３１）と陸（柄本佑／３４）。後輩と彼氏が、入れ替わった綾子に早々に気づいてくれるという神設定。こういった入れ替わりドラマは、たいてい「入れ替わった２人」以外には内緒で苦労するというのが定番。
しかし『天国と地獄』では、八巻は本人が打ち明ける前に気づいてくれたし、陸は打ち明けたらすぐ笑顔で受け入れてくれた。そして、２人揃ってしっかりフォローまでしてくれるのである。そこがとても良い。この騎士２人が顔を揃えた第７話はパラダイスであった。2人のイケメンに守られている強気な“女・高橋一生”、最高……。ネットで八巻犯人説が浮上しているが、一番、考えたくないラストだ。
結局「入れ替わり設定」が謎説きを難解にしているのだが、これによってドラマの緊張感が緩和され、ユーモアが生まれている。そして犯人像に近づくと同時に、優しいエピソードも増える。この不思議なバランスで、とても景色の美しい、しかし複雑な立体型の迷路にハマった気持ちになるのだ。
最終回まで出口を見つけられず、オロオロしながら見続けてしまう『天国と地獄』。「すごく迷ったけど楽しかった」と笑って迷路から出たいので、とにかくハッピーエンドを求む！（田中稲）
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