香取慎吾『アノニマス』で「新境地」演技も視聴率惨敗の不幸なワケの画像
香取慎吾

 今クールのドラマが、そろそろ最終話を迎える時期。刑事ドラマが好きな私が、一番注目し、同時にどう転ぶか一番不安だったのが『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」(テレビ東京系)だった。

 が、蓋を開けてみれば、そんな不安など余計なお世話状態。時代の在り方を問う、素晴らしい意欲作だった! 主役の香取慎吾(44)の抑えた演技と武骨な佇まいが「匿名の正義」に物申す説得力を醸し出して素晴らしい。

 実際に見るまでは、香取が破天荒な刑事役と決め込んでいたので「守りの香取」に驚き、そして感動した。破天荒どころか、逆に新人の碓氷咲良(関水渚/22)や、デジタル担当の四宮純一(清水尋也/21)の「思い込み・暴走」を静かに諭す。

 SNSトラブルを捜査するというセンシティブなテーマだけに、香取自身のキャラクターが少しでも浮いていればシラケたはず。が、「個性派の慎吾ちゃん」は見事に影を潜め「責任感が強過ぎて少し不器用だが、信頼できる万丞さん」がそこにいた。

 ただ、視聴率は高いとはいえず、初回の7.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区/世帯/リアルタイム)が最高。そこからじょじょに落ち始め、第5話から第7話まで4%台が続いた。

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