2021年1月からスタートのドラマは、週末、本当によく泣いた。金曜日の『俺の家の話』(TBS系)、そして土曜日の『その女、ジルバ』(東海テレビ系)。2020年のコロナ第1波(春・夏)の際は、『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)や『半沢直樹』(TBS系)など、とにかく痛快でわかりやすい、そして明るいドラマに励まされた。というか、難解な設定を受け入れる気持ちの余裕がなかった。
そして、また違う閉鎖感にうんざりした第二派のど真ん中だった今クールは、じわりと泣けるドラマで救われた気がする。
まず『俺の家の話』(TBS系)。初回平均視聴率の11.5%(世帯/ビデオリサーチ調べ/関東地区)が最高とはいうものの、以降はおおむね8~9%をキープ。私にとっても、今クールの当たりドラマだった。番組が始まる決めゼリフ「これが、俺の家の話だ」で、ホッと気持ちが落ち着くほどに。
能と介護とプロレスと後妻業と発達障害、てんこ盛りのテーマをサラリと淡白に入れ込んだからこそ泣けた。「宮藤官九郎脚本は最後まで見ないと分からない複雑さがある」と勝手に決めつけていた自分が恥ずかしい。シンプルで、ひたすら一話一話が愛しい、そんなドラマだった。「将来の自分ちの話」を長瀬智也(42)と西田敏行(73)のナビゲートで、やさしく疑似体験させてもらっている気がしたのだ。
介護支援専門員・末広涼一を演じる荒川良々(47)が最高のスパイスで、これまで少し考えるだけでもウンザリとなる「未来の介護」のイメージが、彼の存在感で少し変わった。ありがとう、末広さん!