楽曲の世界観に合わせて表情を柔軟に変えることができ、小柄さを感じさせないダイナミックなパフォーマンスは、ステージングに定評のあった欅坂46では大きな強みとなっていた。

 櫻坂46となってリリースされた『Nobody's fault』は欅坂46のこれまでの楽曲を彷彿とさせるメッセージ性の強い楽曲で、目力で訴えかける森田の強みが存分に活かされていたように思う。

 カップリング曲である『ブルームーンキス』で森田が見せた悪戯な笑みにもまた圧倒させられた。1stシングル『Nobody's fault』で、森田がセンターを務めることに納得の声が多く見られたのは、彼女の実力に裏付けされた表現力がすでに示されていたことの証左である。

 改名前に発売された『blt graph. vol.58』(東京ニュース通信社)のインタビューで、森田は「欅坂46というグループが育んできたパフォーマンスに懸ける思いだったり熱量は、変わらずに大切にしていきたいなって、私は思っています」と語っていたのが印象的だった。森田は誰よりも欅坂46の根幹にあったパフォーマンスを大切にしてきということはセンター抜擢の大きな要因だろう。

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