ジャンクなイメージを持たれがちのラーメンにたっぷりと野菜を用い、トマトや揚げナス、ジャガイモなどのトッピングが選べる。ぼくは三ッ葉亭にもよく行ったが、非常に優しい味のラーメンを出していた。同店もそると同様、高円寺や吉祥寺にあるフォー専門店「チョップスティックス」などを展開するフクモチックの系列。道理でヘルシーなわけだ。

 本来、こうした女性受けを狙ったラーメンは、こってり大好き脂ギッシュ野郎どもには支持されないのだが、濃厚スープの「鶏白湯そば」も用意し、数々のトッピングでボリュームアップもたやすい。鶏そぼろにタレもかかった200円の玉子かけめしの上にラーメンスープをかけ、リゾット風に食べるのもオツだ。黒豚餃子や2個240円から頼める鶏の唐揚げ柚子胡椒風味など、サイドメニューもかなり充実し、酒類は生ビールが380円と良心的で、本格焼酎まで置いている。

 そんな老若男女バランスよく相席する、珍しいラーメン店に恒松祐里は高校時代から通っているというのだ。時々参考にする、朝日新聞のネット媒体「&M」に『おんなのイケ麺』というコーナー(17年から18年にかけて連載)に彼女は登場(17.09.19付)。ベテラン演歌歌手や中堅作家といった顔ぶれの中、当時まだ19歳とピカピカに若い恒松はやたら目立った。

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