■会社に黙って『群像』に寄稿

『群像』で上出氏は、「僕は社長に言いたい」と投げかけた上で、今の社会のありようを伝えるためには、「他者へ迷惑をかける者、法を破る者を取材することに意義はある」とつづり、今回のテレビ東京の社長の判断を「単に想像力の欠如である」と断じているのだ。

「上出氏は、今回の『群像』の冒頭で、他媒体でも今回のような主張をしてきたものの、事前にテレビ東京広報局のチェックが入り、当該箇所は削除されてきたともつづっています。

 そのため、今回寄稿した文章については、事前にテレビ東京に報告していなかったそうなんです。だからこそ、これだけ社の体制、社長の判断を激しく糾弾する文章が掲載されるとこになったのでしょう」(前出の芸能記者)

 前出の民放キー局関係者は話す。

「上出さんの主張は至極真っ当で、テレビの役割、正しい報道とは、ジャーナリズムとはなんぞやということを深く考えさせられる内容です。ただ、上出さんにとってメインの仕事とも言える『ハイパー』は、新型コロナウイルスの影響で海外に取材に行くことができず、動けていない状態だといいます。

『クリエイティブビジネスチーム』の仕事もあるのでしょうが、上出さんは『ハイパー』以外の番組はほぼやっていないそうなんです。つまり、会社から見れば、大して仕事をしていないとも言えます。ただ、テレビ東京の局員なので毎月しっかりと、テレビ局員としてのそれなりの額の給料を受け取っている。

 そんな状態にもかかわらず、会社と社長を痛烈に批判したこと、そして特に、会社に黙って『群像』に寄稿したことが問題視されていて、“さすがにこれはアウトではないか”という声も出ているようなんです」

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