■クラスメイトを演じた面々が続々主役級に格上げ!

 松村北斗のテレビドラマデビュー作は、当時のジャニーズJrのメンバーが多く出演した『私立バカレア高校』(2012年/日本テレビ系)だった。ファンには常識だが、松村のほかに、主演の森本慎太郎、そして京本大我ジェシー(当時ルイス・ジェシー)、田中樹、髙地優吾が全員出演していたこの作品こそがSixTONESの原点なのだ。

 当時からのファンに忘れがたい作品である一方で、『私立バカレア高校』はファン心理を逆撫でするようなドラマだった。何故なら、彼らとAKB48のメンバーが互角の扱いで共演したからである。

 2012年といえば、5月に日本武道館で行われた「AKB48 27thシングル 選抜総選挙」の開票速報番組(フジテレビ系)が18.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)の高視聴率を記録するなど、AKB48が無敵の時代だ。

 ただし、『私立バカレア高校』にAKB48側から派遣されたのは、総選挙10位以内に入るようなメンバーではなく、島崎遥香大場美奈、光宗薫、永尾まりや、小林茉里奈、島田晴香、中村麻里子ら若いメンバーが中心だった。

 だとしても、〈ジャニーズJr.×AKB48〉という構図は大きな話題となった。「『恋愛禁止』や『メールアドレスの交換禁止』などのルールが定められた」というアナウンスもまた、話題作りに一役買っていた。この作品で松村が演じたのは、主人公・桜木達也(森本)の相棒・浅田哲也で、もうひとりの主人公・真行寺文恵(島崎)に片思いをしているという設定もあった。

『私立バカレア高校』が終わると、サスペンス要素のある学園ドラマ『黒の女教師』(2012年/TBS系)にメインの生徒役で出演する。この作品には女子生徒役で広瀬アリス土屋太鳳中条あやみ杉咲花と、のちに主演クラスにランクアップする面々がズラリと出演していた。

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