■本格恋愛ストーリー『ハチクロ』は蒼井優がヒロイン

 その後、『トキオ 父への伝言』(2004年/NHK)、単発ドラマ『ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時 不良少年の夢』(2005年/TBS系)などに出演した櫻井だが、なかなか純粋なラブストーリーにはあまり縁がなかった。

 そんな櫻井が、実質初めて純粋な恋愛ものに挑んだ作品が、超人気コミックを実写化した映画『ハチミツとクローバー』(2006年)だ。

 これは美大生の青春群像劇で、主人公・竹本祐太(櫻井)は、天才的なアートの才能を持ったヒロイン・花本はぐみ(蒼井優)に思いを寄せる設定だった。蒼井は『ニコラ』(新潮社)モデル出身で、『おはスタ』(テレビ東京系)の「おはガール」の経歴もある。

 また、彼女や宮崎あおいなど、どちらかというとテレビドラマよりも映画出演を重視するタイプの主演級若手女優の登場は、2000年代に生まれた新しい流れだといえる。

 25歳になった櫻井は、コミックを原作とした『山田太郎ものがたり』(2007年/TBS系)に二宮和也(嵐)とダブル主演。

 といっても、タイトルになっている山田太郎を演じた二宮が実質の主役であり、多部未華子が演じたヒロインも、どちらかというと山田太郎寄りの設定だった。また、『山田太郎~』は、小嶋陽菜(当時:AKB48)のドラマデビュー作でもある。

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