AKB48は前田敦子が在籍期間の多くでセンターに抜擢されていたし、欅坂46も平手友梨奈が全シングルでセンターを務めていた。

 これによって、センターを中心にグループが認知されていくというところがあるだろう。乃木坂46においても、生駒に求められていたのはセンターとしてグループの基盤を作り上げること、そしてグループを広めることだった。

 生駒は2014年からはAKB48チームBとの兼任もこなし、「AKB48 37thシングル 選抜総選挙」では14位を獲得。同年12月末には『第65回NHK紅白歌合戦』にAKB48として出場するなど、乃木坂46メンバーとして誰よりも経験を積み、グループに多くのことを還元してきた。

 当時はグループ内でも反発の声もあったというが、乃木坂46の成長のために自らの身を挺したのは他の誰でもなく生駒だった。

 現在の乃木坂46の人気は凄まじいものがあるが、それも生駒がグループのために先陣を切って活動をしてきたからに他ならない。

 だが、センターを務めるというのはひとりで多くの重圧にさらされることを意味していた。それゆえに生駒はセンターに対して、「その前に努力したりがんばったりして、やっと掴み取った達成感があればもっと違っていたかもしれませんが、アイドルグループのセンターって普通に考えたら憧れの場所なのに、わたしにとってのセンターはこわい場所でした」という発言を残している(『パピルス』vol.61)。

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