■ストーリー展開も敵がいるところも同じ?

『デイリー新潮』の記事によると、作風の変化、そして『半沢』化は、演出家が前作の塚本連平氏から福澤克雄氏に交代したことが大きいという。

「ドラマで圧倒的な実績を誇るTBSのエース・福澤氏に交代したことで、特に大きく変わったのは“敵の存在”でしょう。2020年版の『半沢』では、第一部で東京セントラル証券に出向した半沢と親会社である東京中央銀行と戦い、第二部では東京中央銀行に戻った半沢が政府を相手に信念と執念の牙をむく、というストーリーが展開されていました。

『ドラゴン桜』の前作にはこうした要素はなかったのですが、続編となる今作では1話の段階で不良生徒を操り、桜木を陥れようとするキンプリ高橋演じる瀬戸輝、東大に合格しなかったことで桜木を逆恨みし、復讐を図っているような佐野勇斗(23)演じる米山圭太と、『半沢』ほどのスケールの大きさこそ感じないものの、1話の段階ですでに桜木の敵となりうる存在が出てきています」(前出の芸能記者)

 主人公が敵と対峙し、それを倒し乗り越えていく。 『半沢』と『ドラゴン桜』の続編に共通する要素は、TBSで過去に放送されていた大名作に通ずるものがあるという。

「1969年8月から2011年12月まで、長らく放送されていた時代劇『水戸黄門』のイズムが『半沢』と『ドラゴン桜』の続編にはある、との声が聞こえてきます。たしかに『水戸黄門』は正義の主人公が悪を倒す勧善懲悪ものの代表作ですからね」(制作会社関係者)

 約42年にわたってTBS系の地上波で放送されていた『水戸黄門』。水戸藩主・徳川光圀をモチーフにした作品で、光圀公が佐々木助三郎(助さん)と渥美格之進(格さん)を引き連れた諸国漫遊の最中、遭遇する悪人を懲らしめていくというストーリーになっている。

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