■瀬戸の変化に心を動かされる
瀬戸にとっては、勉強をすることの楽しさや考えることの面白さを経験するのは初めてだったのだろう。そもそもは放火犯を免れる際に桜木の策略で「東大専科志望だから」という表向きの理由もあって無罪放免になったこともあり、仕方なく席に座っているといった感じだった。
それが、水野からのお題に答えたり、桜木からのメッセージを聞くたびに、徐々に心が開かれていく。テストの点数は低いけれど、単語カードに気になる英単語を書いて、学校の片隅やラーメン屋での仕事の合間に開いてめくるなど今までになかったことだろう。
それも嫌々やっているといった感じではなく、自発的なところがとてもいい。気持ちが徐々に前向きになっていく変化の過程は、見ているこちらも気持ちがいいものだ。この調子で進んでほしいなと思っていたが、いわゆる家庭の事情でそれどころではなくなっていく。それを桜木が察知していることも含めて、目が離せない。何といっても、次回予告で、瀬戸が声を上げて訴え泣いているではないか。そんなもの見てしまったら、桜木が強い言葉で世の中の仕組みを教えて、瀬戸が今何をすべきかを説き、借金によるトラブルと思われる家庭問題をいい方向に導いてくれるのではないかと期待してしまう。次回が待ち遠しい。
(文・青石 爽)
『ドラゴン桜』は、2005年7月期に放送され社会的ブームを巻き起こした同名ドラマの続編となる新シリーズ。原作は『モーニング』(講談社)にて連載中の三田紀房氏による『ドラゴン桜2』で、前作ドラマの15年後のストーリーをオリジナル展開で描く。偏差値32の龍海学園は経営破綻寸前にあり、これを打開すべく学校再建のエキスパート弁護士・桜木建二(阿部寛/56)による再建を図るが、理事長の龍野久美子(江口のりこ/40)は進学校化に反対、生徒は姉と2人で両親が残したラーメン屋を手伝う瀬戸輝(髙橋海人/22)、バドミントン全国トップレベルの選手である岩崎楓(平手友梨奈/19)、優秀な弟に劣等感があり見返してやりたい天野晃一郎(加藤清史郎/19)など悩みや問題を抱えた生徒たち。桜木の教え子であり弁護士になった水野直美(長澤まさみ/33)の奮闘にも注目の学園ドラマである。
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