■クセの強いドラマはウケない?
また、系列局は違うが刑事裁判官が主人公の『イチケイのカラス』も、テレビ朝日系の2つの枠型にはまっている。こうなると、春ドラマのヒットの法則は、冒険的でクセの強いドラマではなく、安定したテレビ朝日系ドラマの様式美なのかもしれない。
しかし、この法則も弊害はある。様式美を持つドラマばかりになって冒険的なドラマが深夜枠に移動し、才能あるクリエイターや俳優が、コアなファンにしか認知されない知る人ぞ知る存在になってしまう可能性があるのだ。
そんな中、ドラマファンが注目しているのが、テレビ東京だ。力を入れ始めている23時枠のドラマは、斬新なミステリー『私の夫は冷凍庫に眠っている』や、女性版“孤独のグルメ”の『ソロ活女子のススメ』、大人のラブコメ『理想のオトコ』、中村倫也(34)のギャップ萌えが楽しめる『珈琲いかがでしょう』など、バラエティ豊かな内容で充実している。
テレ朝一強の裏で、実力を蓄積しつつあるテレビ東京。これから、地上波ドラマがどう変わっていくのか、注目したい。(ドラマライター/ヤマカワ)