なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
乃木坂46 遠藤さくら(前編)
2021年6月9日に27thシングル『ごめんねFingers crossed』を発売した乃木坂46。本シングルをもって1期生の松村沙友理が卒業を発表しており、彼女がセンターを務めるのではないかという声もあるなか、抜擢されたのは4期生の遠藤さくらだった。
遠藤がセンターを務めるのは今回で2度目。白石麻衣という大黒柱でエースの卒業の後でセンターに抜擢された3期生の山下美月に引き続き、グループ内では若い世代に位置する4期生が中心に立つことは、乃木坂46の未来を考えるうえで非常に興味深いものである。
4期生の遠藤は先輩たちが歩んできたキャリアとは異なる形で乃木坂46に加入してきた。2018年6月から7月にかけて開催された坂道グループ全体で行われた新たな試み「坂道合同オーディション」によって配属先が未定のまま合格し、同年11月に乃木坂46に11人のうちのひとりとして加入を果たす。
「引っ込み思案な性格を変えたい」との思いでアイドルを志した彼女は加入した当初は、控えめで口下手な性格からか、そこまで突出した印象を与えてはいなかった。しかし、同年12月に日本武道館で開催された「乃木坂46 4期生お見立て会」では高難度のダンス曲『インフルエンサー』のセンターを務め、あどけなさを残しつつも迫力のあるパフォーマンスで大きな反響を呼んだ。