■ミスは考えられないベテランスタッフ陣
それは、5人の会話がタメ口だったこと。ツイッター上では「若手医師3人が波瑠や田中圭にすっごいタメ口の脚本が解せない。年齢やキャリアが違ったらそこは先輩だし、敬語じゃない?」など、否定的な声が多く寄せられていた。
ドラマ公式サイトによると、波瑠は医師6年目の29歳、田中圭は11年目の35歳という先輩格で、岸は4年目の27歳で、北村と岡崎は3年目の26歳という設定。視聴者の指摘通り、タメ口や名前を呼び捨てにする関係とは思えない。
だが、脚本の大北はるかは、窪田正孝(32)主演の『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』や、山崎賢人(26)主演の『グッド・ドクター』を手掛けており、演出は『ラジエーションハウス』の関野宗紀と、上野樹里(35)主演の『監察医 朝顔』の澤田鎌作が務めている。
さらに、プロデュースは山下智久(36)主演の『コード・ブルー特別編-もう一つの戦場-』(すべて同局系)を手掛けた野田悠介。いずれも人気医療ドラマを経験したスタッフであるため、実際の医療現場を把握していないとは思えない。そうなると、今回のタメ口は設定ミスではなく、それぞれの人間関係をあらわす演出のひとつであるようだ。
このドラマは5人の医師がチームとして成長していくストーリー。また、公私に問題を抱えている人物もいるようで、それらを解決していくためにも、医師同士というだけではない、踏み込んだ関係が必要になってくるのだろう。それがためのタメ口であると考えられるのだ。
とはいえ、初回からのタメ口というのは、少し早すぎたのかもしれない。深夜の重症患者や外来患者との奮闘で5人の信頼が深まっていき、視聴者がタメ口に違和感を覚えないようになれば、ドラマとしては成功なのかもしれない。(ドラマライター/ヤマカワ)