「肉と骨になっている」故・志村けんさんに日本エレキテル連合の2人が「2つだけ」聞けたこと(日本エレキテル連合インタビュー#2)の画像
 日本エレキテル連合(左が橋本小雪、中野聡子)

「いいじゃないのぉ~」「ダメよ~ダメダメ」

 おそらく、日本中の誰もが耳にしたことがあるやり取りだろう。

 橋本小雪中野聡子の2人のお笑いコンビ『日本エレキテル連合』は、このコント「朱美ちゃんと細貝さん」で2014年に大ブレイク。その年の『新語・流行語大賞」の年間大賞、Yahoo!検索大賞 2014・お笑い芸人部門を受賞し、日本列島にその名を轟かせた。

 そして、それから。

 2人は何をしてきたのか。何をしているのか。何がしたいのか。

 その根本にあるのは、コントに対する深すぎる愛と覚悟だった――。(第2回/全4回)

―コントは、志村けんさんの影響が大きいんでしょうか?

中野「『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』とか、根本にあるんじゃないかなと思って。

―志村けんさんと加藤茶さんがやっていたテレビコントをリスペクトするきっかけになったものとか、具体的に「ここがよくて、こういうのをやりたい」というのはありますか?

中野「気づいたときは、もう自分たちの当たり前の“肉”になっていたというか。血とか肉とか骨みたいな。なので、やった時に、“あっ、志村さんのを結局マネしてるんだな”っていう風に気づいたっていうか。

 酔っ払いのマネしても、コントしても、みんな志村さんだし。気が付いたら勝手に刷り込まれていたので、意識した、“志村さんみたいなことをしよう”っていうか、“勝手になってる”」

橋本「勝手になってるよね」

中野「いちばんいいな、と思うのは、やっぱり下ネタのコントで。志村さんの下ネタってけっこうな下ネタなんですけど、子どもも見れるんですね。でも、子どもは笑っていて。意味も分からず。で、大人になって分かるっていう2個仕掛けがあって。

 子どもは滑稽さで笑ってる。“風船が膨らんでいく”っていうコントがあって。なんかスケベな画面を見ていて……。子どものころ分からなくて風船が膨らむのを見ていたんですけど、大人になって“あ、そういうことか!”って分かって。2回答え合わせが、伏線回収みたいな。それすごいな、と思って。計算でやってたとしたら、子どもも笑うし、大人になって意味わかるのを計算してやってたとしたらすごいなって。下ネタ系のコント、私は大好きです」

―芸人さんとしてデビューしてから、実際に志村さんとエレキテル連合さんのコントについてお話されたことは?

中野「あるんですけど……ね」

橋本「ラジオ。ラジオだよね?」

中野「私たち、恐れ多すぎて。コントのお話をいっぱい聞きたいことあったんですけど。“あれはどういうことですか”とか、死ぬほどあったんですけど、聞けなくて。

 まず自分たちがポッと出てきただけの人だと思ってて。そんな人たちが志村さんに芸の話をするなんておこがましいと思って。コントの神様に“どうやってやってるんですか?”とか聞けなくて。
で、聞けたことが“白塗りの顔がかゆい時どうするか?”(笑)」

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6