■キー局ではできない時間をかけたロケ

『オモウマい店』の制作を、キー局の日本テレビではなく、系列局である愛知県の中京テレビが手掛けていることも大きなポイントだという。

「『オモウマい店』のVTRは、取材にかなりの時間を割いていて、それは放送にも表れていています。4月13日の放送で埼玉県幸手市にあるロングソーセージ定食を提供する店を取り上げたのですが、ディレクターが1月末から3月上旬にかけて、名古屋から幸手市まで取材交渉だけで4回も訪れていることが触れられていました。

 6月29日の放送でも、ディレクターが青森県にある定食屋を訪れたものの、店が屋根の補修のため臨時休業中。すると、なんとディレクターが青森に3日間滞在して営業再開を待ち、滞在4日目にしてようやく取材を始めていました。

 また同番組は、ディレクターがカメラを持って撮影するスタイルで、じっくり店に密着して取材を行うため、キレイな映像ではないものの、ドキュメンタリー色が出て、店を切り盛りする従業員やお客さんの姿が生々しく伝わってくるのも魅力と言えます。

 働き方改革が叫ばれ、厳しい締め付けがある中、キー局の日テレの制作ではできない作り方でしょうね。もしかしたら、中京テレビだからこそ、じっくりと時間がかけられているのかもしれません。愚直で泥臭い作りではありますが、その熱量が面白さにつながっているのではないでしょうか」(前出の民放キー局ディレクター)

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