「ビリー・バンバン」菅原進インタビュー、最新YouTubeで「現代に音を届ける」理由の画像
菅原進(撮影・弦巻勝)

 一昨年の秋、マネージャーが「『ニコニコ動画』でこんなのが話題になっていますよ」と教えてくれた動画を見て、ビックリ仰天しました。なんと、僕が知らない歌を、僕の声が歌っていたんです。

 どうやら、これは“人力ボカロ”という技術で、『ビリーバンバン』のCDから僕の声を抜き出して、既存の楽曲を歌わせていたもの。これが、すごくうまいんですよ(笑)。

 でも、確かにうまいんだけど、何かが足りない。“ああ、この歌には魂が入ってないんだ”と気づいて、“よし、これに魂を入れようじゃないか”と、同じ曲を自分で歌ってアップロードしたのが、昨年1月のこと。これがまた話題になって、以来、ときどきカバー曲をユーチューブなどで動画配信するようになりました。

 歌うのは主に、アニメやゲームの人気楽曲や、いわゆる“今どき”の曲です。最近では、女子高生シンガーAdoさんのヒット曲『うっせぇわ』をカバーさせてもらったんですが、これが80万回を超える再生数になってしまい、驚きました(笑)。

 多くの方は、『ビリー・バンバン』というと“フォークソングを歌う兄弟デュオ”だと思うでしょうから、その弟のほうが70歳を過ぎて、こんなことをやってるのは意外に感じられるかもしれません。

 でも僕自身は、若い頃から海外の新しい楽曲に影響を受けてきたし、それが今は若者に人気があるシンガーや曲にも興味があるというだけのこと。純粋に音楽として「すげえな」「かっこいいじゃん」と思ったものを歌うのが楽しいんですね。だから、動画配信という形で新しい音楽に出会えて、本当に良かったと思っています。

 出会いと言えば、麦焼酎『いいちこ』とのご縁もそうです。忘れもしない34年前、『いいちこ』のポスター展で僕らが歌う機会があって、そのとき、プロデューサーが「あなたの声は、『いいちこ』の透明感と一致する」とおっしゃってくれたんです。それがきっかけでCMソングを歌わせていただくようになり、今や『いいちこ』と言えばビリーバンバン、ビリーバンバンと言えば『いいちこ』と、言えるまでになりました。

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