■「あの嬉しかった体験は、本当に今でも忘れられないですね」

―『キングオブコント』収録時は高木さんも後ろで見ていて、どんな気持ちでしたか?

「恥ずかしいけど、泣きましたよ。僕らは舞台裏にいて。キングオブコントと言っても、基本的にバイきんぐのネタに介入するわけではないので。担当ディレクターがやれることは、セット作りとか。テレビ向けのセットとか向きとかをあまり気にしてやってこなかったコンビだったから、そういうアシストをする仕事なんです」

―そういう仕事なんですね。

「それくらいしかしていなかったにもかかわらず、“なんて日だ!”って小峠が言ったとき、笑うって分かってるのに、お客様がバーンって笑た時にものスゴく高揚しましたし、あの小峠がキングオブコントで優勝したとき、アイツ泣いたんですよ」

―そりゃあ泣きますよ。

「その涙を見て西村は笑っていて。その涙を見て僕がもらい泣きするっていう、もうワケが分からない状態で(笑)でも、あの嬉しかった体験は、本当に今でも忘れられないですね。本当にありがたかったです」

―本当に最高の出会いですね。それで小峠さんも、高木さんに対して「ずっとやってください」というイメージを持って。それで、ずっと単独ライブを……?

「そうですね。“来年は辞めてくれ”って言われるかもしれないですけど(笑)。辞めてくれって言われるまでやりますよ!」

―基本的に単独ライブのディレクション、演出というのは、お付き合いのあるテレビで一緒に仕事したディレクターさんにお願いするのが、一般的なパターンなんですか?

「そうですね。そういうパターンが多いと思います。もしくは、劇場のころから座付きでいるみたいなスタッフさんが撮るパターンじゃないですかね? いまYouTubeを業界でもやってますが、あれも近しい感じだと思います。テレビで知り合ったディレクターさん、たとえばとんねるず石橋貴明さんなら、マッコイ斉藤さんですね。

 僕で言うと、今田耕司さんは、僕と一緒にYouTubeをやっています。そういう繋がりでやらせていただいてる感じですね。

まあ、バイきんぐはコンビではYouTubeはやっていませんけどね。西村が単独でイカれたキャンプをやってるだけで、あのキャンプ場には死んでも行きたくないから、それはイヤですね(笑)」

―(笑)

「西村の山、知ってますか? 群馬の山奥にあるんですけど、テニスコート2枚分の、ただの斜面なんですよ! 絶対行きたくないです。水源も電源もない。ただの山!」

―「山を買った」と聞いていたので、すごい感じで買ったと思ってました。

「2枚分くらいの山です。ただの坂。絶対行きたくない。不便しかないです。

 ただ、そのキャンプ場でYouTube撮影しても、無言でビール飲んでるだけとか、山を見てるだけとか、撮れ高がなさすぎて怖いですよ、そんなロケ」

―ディレクターとしてはありえない?

「そうですね、何がいいか分からない状態なので、それを20万人の登録者が見てるのは、ちょっと理解できないですね(笑)」

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